電化製品等の使用感を書く。
吉田裕児氏が書いた「部下が変わる本当の叱り方」を読んだ。
他人や他書の受け売りっぽい話が多く、著者自身の経験談はほとんど出てこない。
全然参考にならなかった。
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題名:「部下が変わる本当の叱り方」
著者:吉田裕児(よしだゆうじ)
出版:明日香出版社
令和2年6月17日初版
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★挫折は最近の話
3頁より、
「 私は一級建築士として35年間建設業界の現場監督を務め、全国の代表的な建物の建設に携わり、3000人以上の作業員やスタッフを指導してきました。」
「 当時会社の出世頭でもあった私は、仕事にのめり込むあまり、部下の言い分もろくに聞かずに、思い込みだけで叱り飛ばしていました。「なんでちゃんとできないんだ」「本当に使えない奴らだ」……そんな気持ちになっていたのでしょう。
そんなある日、私に嫌気をさした部下が失踪したのです。
…(略)…。しかし懲りない私は、思うように動いてくれない業者に対しても部下と同じように詰め寄りました。その結果、業者にも逃げだされてしまいます。
結局、現場は大赤字。私は福島の除染現場へ異動させられたのです。」
福島の除染現場があるということは、挫折はそれほど昔の話ではないようだ。(現在、令和2年。)
★オリジナルの叱り方の実践経験は少ない?
巻末の著者略歴より、
「これまで一部上場の建設会社の一級建築士として、全国の代表的な建物の建設に携わってきた。現場所長として順風満帆の出世街道を歩いていたが、部下の指導法を間違えたことで現場が大赤字となってしまう。それが原因で第一線の現場から外され、人生初の挫折を味わう。
大きな絶望に打ちひしがれていた中、家族の「私たちは味方よ」のひと言で一念発起。自身が失敗した「部下の指導法」と向き合い、マネジメントやリーダーシップという分野の研究をスタート。
これまで学習のために読んだ書籍は500冊以上、研修セミナーには500回近く参加。様々な企業が抱える職場問題と向き合っていく中で、自身のオリジナルノウハウとなる「叱り方メソッド」を開発。これを次世代リーダーに伝えていくことを使命と感じ、現在では大企業だけでなく、中小企業の上司たちにも向けて、強い組織づくりや事故防止についての研修やコーチング、カウンセリングなどを日々行なっている。」
初めての挫折を味わったのが東日本大震災以降であり、それから本を500冊読み、セミナーを500回受けて、大企業・中小企業でコーチングやカウンセリングを行なっている…。
現在2020年だが、「叱り方メソッド」を現場で試す時間はどれだけあったのか。
この本は、有名人の発言等の引用が多く、著者自身の経験・思想が伝わってくるような記述は全然無い。
家に引きこもって小説ばかり読んでいる人が小説の知識だけで小説を書いてしまった感じ。
松尾祥子の「プロカウンセラーが教える 香りで気分を切り替える技術〜香りマインドフルネス」を読んだ。
大したことは書いてなかったが、瞑想の副作用・デメリットについての記述があった。
(1)病的疾患があって治療が必要なのに、医療機関の受診を先送りするために瞑想を利用してしまう。適切な医療を受ける機会を失う。
(2)幻覚妄想状態になることがある。躁状態になったり、自分がまるで他人のように感じられたりする。パニック、身体的な揺れなど。
(3)批判的思考を避けるようになる。問題を受け入れることで現実に起きている問題への対処行動がとれなくなる。指導者に依存するようになるなど。
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題名:「プロカウンセラーが教える 香りで気分を切り替える技術〜香りマインドフルネス」
著者:松尾祥子(まつおしょうこ)
監修者:東原和成(とうはらかずしげ)
出版社:翔泳社
令和2年7月20日初版第1刷
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どんな香りをどういう風に用いるのかということについては、ほとんど書かれていない。
秋山宏次郎氏監修の「こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本」を読んだ。
なぜSDGsが必要なのか、全然わからなかった。
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題名:「こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本」
監修:秋山宏次郎(あきやまこうじろう)
著者:バウンド
装丁:山本真琴(design.m)
発行人:坪井義哉
発行所:株式会社カンゼン
印刷製本:株式会社シナノ
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★新型コロナウイルスの感染源は?
13頁より、
「コウモリ由来のウイルスがセンザンコウに移り、そこから人間に感染したと考える学者もいます。」
「 従来、野生動物は人間が住むエリアには姿は見せませんが、人間が森林伐採をしたり、気候変動を引き起こしたことなどによって、野生動物の住む場所が減少しています。困った野生動物がエサを求めて人里に現れるケースも増えています。人間と野生動物の距離が必要以上に近づいてしまったことで、ウイルスの感染リスクがかつてより高まっていると指摘する声もあるのです。」
これ以外の学説・感染源については、一切記述なし。
「学者も〜」「ケースも〜」「声も〜」とあるが、実質的にはコウモリ由来センザンコウ経由であると決めつけている。
★日本人は食べ物を捨てている!
日本人が食べ物を捨てているのは問題である。
しかし、先進国の人間が食料を輸入しなければ貧しい国の人々に食料が行き渡るのかというと、そうでもない気がする。
生産されなくなるだけではなかろうか。
★1日200円でどう生活するかをイメージしてみよう!
世界には1日200円で生活している人もいるのですという話。(16頁17頁)
日本で1日200円の暮らしをするのと、貧しい国で1日200円の暮らしをするのとでは、大分違うのではないか。
★相続無しでも持続可能か
35頁より、
「 生まれた国や家が違うだけで、大きな格差があるのが今の世界の現実です。」
39頁より、
「〜、もしあなたが誰かと入れ替わるとしたら、誰になりたいかを考えてみましょう。」
「 誰になるかを選べない以上、大きな格差がないみんなが豊かに暮らす平等な世界に生まれたいはずです。」
自分のこと、自分の世代のことしか考えていない。
子孫のために財産を蓄え、環境を改善していくという発想がない。
自分の子孫のために財産や良い環境を残すことが許されないというのであれば(誰に財産を継承させるか全く選べないというのであれば)、SDGsの開発活動は本当に「持続可能」なのか。
★お金持ちはお金を使えるのか?
37頁より、
「Amazon創業者の純資産は約12兆3000億円(1130億ドル)」
貧しい人に施さないのを責めるような記述であるが、ジェフ・ベゾス氏は現金で12兆円持っているわけではあるまい。
また、Amazonも「持続可能」でない投資はできまい。
★このままでは地球がもたない!
環境破壊が進んでいるという話に続けて、
49頁より、
「〜、SDGsは私たち人類と地球を守るために達成しなければいけない目標であることを実感できるのではないでしょうか。」
人類を守るためには少々役立つかもしれないが、「地球を守るため」は理解できない。
★このままではSDGsの達成は難しい?(52頁)
意味も無く2030年という期限を設けた所為であろう。
SDGsの全身であるMDGs(2000年9月採択)が「2015年までに達成する目標」であったため、SDGsの期間も15年になったらしい。
★「誰一人取り残さない」は実現可能なのか?
世の中には電力無しで暮らしている人もいるのですという話に続けて、
53頁より、
「 SDGsは「誰一人取り残さない」を目指しています。たとえ状況が改善して電力を使える人が増えても、使えない人が一人でもいてはいけないのです。」
日本でも電気代を払わないと電気は使えない。
「誰一人取り残さない」といっても限度がある。
「タダ乗り」を防ぐ仕組みも必要。
★MDGsの目標
MDGsは先進国が発展途上国に課した目標。
54頁より、
「開放的で、ルールに基づいた、予測可能でかつ差別のない貿易および金融システムのさらなる構築を推進する。」
★豊かになれば日本の自動車を買ってくれる?
57頁より、
「 たとえば、日本は世界中にさまざまなものを輸出していますが、貧困に苦しむ国の人が食事に困らなくなり、やりがいのある仕事に就いて収入が上がれば、日本の自動車を買ってくれるようになるかもしれません。」
先進国の人間は意外と愛国心を持っており、日本の車が売れているとは言っても、みんながみんな日本車大好きというわけではない。
貧しい国の人々も豊かになれば自分たちの車を作りたくなるだろう。
★SDGsは絶対に達成すべきなのか?
83頁より、
「 SDGsは国連が決めた絶対に達成すべき目標です。できない理由を挙げて、あきらめてはいけません。」
なぜ国連の決定に従わなければいけないのか。
新手の宗教か?
★レジ袋とマイバッグ
85頁より、
「〜、マイバッグを持参して買い物に行き、レジ袋をもらわなければ、それは省資源につながっています。」
これについては色々言われている。
本当のところはどうなのだろう。
★大人に働きかけてみよう?
100頁より、
「「こどものことを考えて」と大人に働きかけてみよう」
SDGsが本当に価値あるものならば、子供を煽らなくても直接大人を説得できるはず。
★「今までの大人」は本当に怠惰だったのか?
101頁より、
「〜、「差別はよくない」とはわかっていても差別はなくなっていません。学校でも「いじめはいけない」と、みんながわかっているのに、今も昔もいじめは起こっています。
今までの大人は、後先を深く考えずに資源を好き放題に消費してきました。差別やイジメをなくすことはできませんでした。だからこそ、こども世代は問題・課題から目を逸らさず、「自分ごと」として考えて、よりよい地球を目指したいものです。」
省エネの努力は昔からあり、資源を好き放題消費してきたというのは間違い。
また、今も昔も変わらずに差別・虐めが存在するのは「今までの大人」の所為である、というのは理解できない。
そもそも差別や虐めは本当に「なくなる」ものなのか。
「自分ごと」として〜、という煽りには注意する必要がある。
問題・課題には優先順位があり、手を付ける順番を間違えると社会が混乱し、課題解決のための人材・技術・基盤を失ってしまう可能性がある。
自分の好みの課題が後回しにされてしまった時に、「あなたはこの課題を自分ごととして捉えていない!」などと言って周囲の人間を侮辱するのは上手くない。
人格攻撃ではなく、説得を行うべきだ。
★男子の割礼は問題ではない?
110頁より、
「女性性器切除術を受けた女性は、少なくとも2億人います。この深刻な人権侵害行為の約半分は、西アフリカの国々で行われています。」
性器切除に関しては、女子のものだけが問題になっている。
男子のものにも色々と害があると言われるが…。
★移民・移住の促進
115頁より、
「10.7 計画に基づきよく管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する。」
移民として想定されているものには、難民も含まれるらしい。
移住しなくても生活できる環境を作ろう、という目標でないのは何故か。
★この本は子供向けなのか?
118頁より、
「13.b 後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。」
(1)後発開発途上国と小島嶼開発途上国は別物なのか?
(2)気候変動関連の計画策定能力と管理能力を強化するにあたって、なぜ「女性」「青年」「地方」「疎外されたコミュニティ」に焦点を当てるのか?
121頁より、
「16.3 国家及び国際的なレベルでの法の支配を促進し、すべての人々に司法への平等なアクセスを提供する。」
国際的なレベルでの法の支配とは何か?
子供にわかるだろうか。
122頁より、
「17.1 課税及び徴税能力の向上のため、開発途上国への国際的な支援なども通じて、国内資源の動員を強化する。」
開発途上国の財政が安定すると、政策に一貫性が生まれ、持続可能な開発が可能になる、ということだろうか。
よくわからん。