電化製品等の使用感を書く。
文響社の出した漫画版「バビロン大富豪の教え」を読んだ。
原作とはかなり話が違う。
原作では一話一話登場人物と時代が変わっていたけれども、漫画版はバンシル一人の物語になっている。 原作の逸話のほとんど全てがバンシルの体験として描かれているため、バンシルは転職しすぎ且つ性格変わりすぎの奇人になってしまっている。
「奴隷のいない社会を作ろう」というのではなく、「奴隷みたいな生活から抜け出して、奴隷を使役できる地位を得よう」というお話である。
古い本なので、現代日本人にとって目新しいことは書いてない。
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★1冊目
題名:漫画 バビロン大富豪の教え「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則
原作:ジョージ・S・クレイソン
企画・協力:大橋弘祐(おおはしこうすけ)
漫画:坂野旭(さかのあさひ)
ブックデザイン:吉岡秀典(セプテンバーカウボーイ)
翻訳協力:齋藤慎子
監修:中田一郎(中央大学名誉教授)
作画協力:なっとうごはん、大野智香、大野三和
出版社:文響社
2019年10月8日第1刷
2019年10月30日第2刷
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★2冊目
題名:「バビロンの大金持ち」
著者:ジョージ・S・クレイソン
原題:「The Richest Man In Babylon」として単行本化)
翻訳者:楡井浩一(にれいこういち)
出版社:河出書房新社
2018年8月20日初版発行
2008年に実務教育出版から刊行された「バビロンの大金持ち」を文庫化したもの。
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河出書房新社版の訳者あとがきより
「 しかし、史実として、バビロンが特に(他の文明と比べて)独創的な経済制度を生み出したとか、公の施設で蓄財セミナーが開かれていたとかいう証拠はない。」
★借金返済記録の粘土板も作り話か?
原作ではアメリカの学者、漫画版では日本の学者が粘土板を解読する。
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河出書房新社版158頁より
「『(…略…)おのれの内に奴隷の魂を宿す者は、いかなる家門に生まれようと、低きに流れる水のごとく、奴隷となり果てるのではありませぬか? 自由民の魂を宿す者は、たとえ不運に見舞われようと、生まれ育った街で人から敬われ、誉れ高き人間となるのではありませぬか?』」
漫画版362頁363頁より
「自分の弱さのせいで奴隷に堕ちたお前が 自分が自由民だなんてよく言えたものです」
「「今の自分は奴隷の身に甘んじている」 あなたはそう仰いましたが…それは順番が逆なのではないですか?」
「奴隷になったから甘んじているのではなく 甘んじているから奴隷になったのではないですか?」
「自由民の魂を宿すならどんな境遇に置かれても あなたが生まれた街…バビロンで敬愛されるのではないでしょうか?」
★黒人が奴隷だったのは「奴隷の魂」の所為なのか?
肌の色によって奴隷と自由民を分けていた国でこのような本が出版され、ウケているというのは恐ろしいことである。