電化製品等の使用感を書く。
書籍名:「カラヴァル 深紅色の少女」
著者:ステファニー・ガーバー
翻訳者:西本かおる
出版社:キノブックス
2017年8月21日初版第1刷
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ゲームの勝者は、賞品として願いをひとつ叶えてもらえる。
不思議の国のアリス + ディズニーランド???
「人生には安全な暮らしよりも大事なものがある」...アメリカの小説・映画でよくある。
自由。選択。奇跡。魔法。...アメリカの小説・映画でよくある。
「あんたっていつも、失うもののことばかり考えて、これから手に入るもののことは考えてないでしょ。どんなに犠牲を払っても追い求めるべきものがあるんだよ」...アメリカの小説・映画によくありそうな台詞だ。
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物語が3分の1ほど進んだところで、主人公とジュリアンを除き、ゲームの参加者は全て謎解き競争から脱落する。以後のゲームは、主人公対ゲームマスターになる。ところが、主人公は最後の最後まで、ゲームの運営者が最初に与えてくれたヒントに縋り続ける。それしか手がかりがないので・・・。
(1)読者は主人公の視点で物語を見る。(2)カラヴァルの秘密は、本書で全部明かされるわけではない。また、明かされる秘密の相当量も物語の終盤まで主人公には知らされない。この(1)(2)の結果、「自分の意志で選択する」という部分が曖昧になった。主人公は、努力したように見えて無駄な努力しかしておらず、ごく一部の「選択」を除いて、強制・誘導され、計画通りに踊っただけなのか。
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物語の終盤がとても退屈。会話会話の連続で秘密が淡々と暴かれていく。
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主人公とジュリアンの体がやたらと接触する。
(1)妹を探さなければいけない。(2)妹が何よりも大切。(3)結婚の日までに帰らないといけない。(4)ジュリアンがカッコイイ。(5)こんなことを考えてはいけない、私には婚約者がいるのに。それに妹を探さなければ。(1)に戻る。これを何回も繰り返す。
魔法の仕組み・法則は、完全に明かされるわけではない。
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同じ表現・文言が何度も登場する。英語版でもそうらしい。
色の解釈が独特。「〇〇色の●●」という文章に続いて、「〇〇色は★★を意味する色」と主人公が解説する。通俗的な色のイメージではなく、主人公がその色にどのようなイメージを抱いたのかが陳述される。色と主人公が抱いた印象とを合わせて説明できる便利な型式なのかもしれない。
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派手な割には中身が空っぽな小説。
発行後、即座に映画化決定。宣伝多め。